5-1.計測・制御に関する理論

(1)信号処理

★DFT(Discrete Fourier Transform:離散フーリエ変換)

離散化されたフーリエ変換であり、信号処理などで離散化されたデジタル信号の周波数解析などに使用される

★FFT(Fast Fourier Transform:高速フーリエ変換)

離散フーリエ変換を計算機上で高速に計算するアルゴリズムのこと

★インパルス応答

インパルスと呼ばれる非常に短い信号を入力したときのシステム出力のこと

★フィルタ
Юローパスフィルタ

なんらかの信号のうち遮断周波数より低い周波数の成分はほとんど減衰させず、遮断周波数より高い周波数の成分を逓減させるフィルタのこと

Юハイパスフィルタ

何らかの信号のうち、遮断周波数より高い周波数の成分ではほとんど減衰させず、遮断周波数より低い周波数の成分を逓減させるフィルタのこと


Юバンドパスフィルタ

必要な範囲の周波数のみを通し、ほかの周波数は通さないフィルタのこと

Юデジタルフィルタ

量子化および標本化してAD変換した信号をデジタル信号処理することにより働く、フィルタ回路の一つのこと


★サンプリング定理

アナログ信号を変換する際のサンプリングにおいて、デジタル化した信号を基のアナログ信号に戻すためには、アナログ信号の最高周波数の2倍以上でサンプリングしなければいけないという定理

例:0~20kHzの帯域幅のオーディオ信号をデジタル信号に変換するのに必要な最大のサンプリング周期を標本化定理によって求めると何マイクロ秒か

①0~20kHzの帯域幅⇒最高周波数20kHzの2倍の40kHzでのサンプリングが必要。
②1回あたりの周期を求めるために1秒を40kHzで割る。
1÷40000=25×10-6(マイクロ秒)
25マイクロ秒である

★D/A変換

デジタルデータをアナログデータに変換する装置のこと

例:8ビットのD/A変換器を使って、電圧を発生させる。使用するD/A変換器は、最下位の1ビットの変化で10ミリV変化する。データに0を与えた時の出力は0ミリVである。データに16進表示で82を与えた時の出力は何ミリVか

①データは16進数なので2進数では(1000 0010)
②2進数では各桁の重みは最下位ビットから2バイトずつ増えていくので、最下位ビットが10ミリだとすると各ビットの電圧は下記の表のとおり
電圧 1280 640 320 160 80 40 20 10
ビット 1 0 0 0 0 0 1 0
③各ビットの出力を加算して出力する
1280+20=1300

★A/D変換

アナログデータをデジタルデータに変換する装置のこと

例:サンプリング周波数40kHz、量子化ビット16ビットでA/D変換したモノラル音声の1秒間のデータ量は何kバイトか?

①サンプリング周波数40kHz=1秒間に40000回データを取得して16ビットで表現する
40000×16=640000=640kビット
②単位をバイトに変換すると
640kビット÷8=80kバイト



  • 最終更新:2017-08-20 21:49:42

このWIKIを編集するにはパスワード入力が必要です

認証パスワード