H21年春午前試験ポイント問題解説
①応用数学1
通信回線を使用した伝送システムにM/M/1の待ち行列モデルを適用すると、平均回線待ち時間、平均伝送時間、回線利用率の関係は、次の式で表すことができる。
平均回線待ち時間=平均伝送時間×(回線利用率/(1-回線利用率))
回線利用率が0%からジョジョに上がっていく場合、平均回線待ち時間が平均伝送時間よりも最初に長くなるのは、回線利用率が何%を越えた時か?
ア40
イ50
ウ60
エ70
答え
イ:50
平均回線待ち時間が平均伝送時間より長くなるには、係数回線利用率/(1-回線利用率)が1より大きくなることが条件。
回線利用率が50%のときに、回線利用率/(1-回線利用率)が1になり、50%よりも大きくなると1を超えて平均回線待ち時間が平均伝送時間より長くなることがこの関係式からわかる。
したがって正解は50%
②応用数学2
長さnの文字列C1,C2...Cnの中に、部分文字列は全部でいくつあるかを表す式はどれか。ここで、空文字列とC1~n自身も部分文字列とみなす。例えば、長さ3の文字列C1,C2,C3の中に、部分文字列は、C1,2、3、12、23、123及び空文字列の7個ある。
ア2n-1
イn(n+1)/2+1
ウn(n-1)+1
エn!+1
答え
イ:n(n+1)/2+1
n文字の文字列からn文字の部分文字列のとり方は先頭の文字からの1通り、n-1文字の部分文字列のとり方は2通り、n-2文字の部分文字列のとり方は3通り。2文字の部分文字列のとり方はn-1通り、1文字の部分文字列のとり方はn通りになる。
これらの合計は初項1、公差1、項数nの等差数列の和なのでn(n+1)/2。
これに空文字列の1を加えて答えは「n(n+1)/2+1」となる。
③アルゴリズム
相違なるn個のデータが昇順に整理された表がある。この表をm個のデータごとのブロックに分割し、各ブロックの最後尾のデータだけを線形探索することによって、目的のデータの存在するブロックを探し出す。次に当該ブロック内を線形探索して目的のデータを探し出す。この時の平均比較回数を表す式はどれか。ここで、mは十分大きく、nはmの倍数とし、目的のデータは必ず票の中にあるものとする。
アm+n/m
イm/2+n/2m
ウn/m
エn/2m
答え
イ:m/2+n/2m
線形探索法を2回組み合わせて目的データを探し出すときの平均比較回数を求める問題。
線形探索法とは探索データの先頭から順に探索していく方法で、N個のデータのなかから目的のデータを探すときの平均比較回数は(N+1)/2(近似値N/2)
最初はn個のデータをm子のデータごとのブロックに分割した最後尾のみを線形探索する。
探索するデータは、n/m個
目的のデータがあるブロックを見つけるまでの平均比較回数は、
n/m÷2=n/2m回
2回目は、1回目の探索によって見つけた目的のデータがあるブロック内を線形探索する。探索するデータ数はm個
目的のデータを見つけるまでの平均比較回数は、
m/2回
つまり1回目と2回目の平均比較回数を合わせたm/2+n/2mとなる
④メモリ
メモリインタリーブの説明はどれか?
アCPUと磁気ディスク装置との間に半導体メモリによるデータバッファを設けて,磁気ディスクアクセスの高速化を図る。
イ主記憶のデータの一部をキャッシュメモリにコピーすることによって,CPUと主記憶とのアクセス速度のギャップを埋め,メモリアクセスの高速化を図る。
ウ主記憶へのアクセスを高速化するため,アクセス要求,データの読み書き及び後処理が終わってから、次のメモリアクセスの処理に移る。
エ主記憶を複数の独立したグループに分けて,各グループに交互にアクセスすることによって,主記憶へのアクセスの高速化を図る。
答え
エ:主記憶を複数の独立したグループに分けて,各グループに交互にアクセスすることによって,主記憶へのアクセスの高速化を図る。
メモリインタリーブは、主記憶を独立にアクセスできる複数の領域(メモリバンク)に分け、これに並行してアクセスすることで見かけ上のアクセス速度を向上させる技術のこと
ディスクキャッシュ:CPUと磁気ディスク装置との間に半導体メモリによるデータバッファを設けて、磁気ディスクアクセスの高速化を図る
キャッシュメモリ:主記憶のデータの一部をキャッシュメモリにコピーすることによって、CPUと主記憶とのアクセス速度のギャップを埋め、メモリアクセスの高速化を図る
排他制御(共有資産のメモリを保護する):主記憶へのアクセスを高速化するため、アクセス要求、データの読み書き及び後処理が終わってから次のメモリアクセスの処理に移る
⑤メモリ2
メモリの誤り制御方式で,2ビットの誤り検出機能と,1ビットの誤り訂正機能をもたせるのに用いられるものはどれか。
ア奇数パリティ
イ水平パリティ
ウチェックサム
エハミング符号
答え
エ:ハミング符号
ハミング符号:情報ビットに検査ビットを付加することで2ビットまでの誤りを検出し、1ビットの誤りを訂正できる手法。ECCメモリ(Error Check and Correct memory)やRAID2の誤り訂正符号として使用される。
奇数パリティ:データを構成するビット全体の中でビット「1」の数が奇数になるようにパリティビットを付加する方式のこと。1ビットの誤りを検出することができる。
水平パリティ:データの水平方向を対象としてパリティビットを付加する方式。垂直方向と組み合わせた水平垂直パリティチェックでは1ビットの誤りを訂正できるが、水平パリティだけでは1ビットの検出のみが可能。
チェックサム:データの合計値を検査用に付加し、誤りが発生しているかを検査する方式。
⑥マルチメディア技術
MPEG-1を説明したものはどれか。
ア1.5Mビット/秒程度の圧縮方式であり,主にCD-ROMなどの蓄積型メディアを対象にしている。
イ60Mビット/秒を超える圧縮方式であり,主に高品質なテレビ放送を対象にしている。
ウ数M~数十Mビット/秒という広い範囲の圧縮方式であり,蓄積型メディア,放送,通信で共通に利用できる汎用の方式である。
エ数十k~数百kビット/秒という低ビットレートの圧縮方式の一つであり,携帯電子機器などへの利用を対象にしている。
答え
ア:1.5Mビット/秒程度の圧縮方式であり,主にCD-ROMなどの蓄積型メディアを対象にしている。
MPEGは動画圧縮技術である
MPEG-1:CD-ROMに1時間程度の動画を記録することを目的に設計された方式。Video-CD用の動画フォーマットなどで利用
MPEG-2:放送やHDTVを想定した規格であり、様々なメディアでの利用を想定して複数の解像度、圧縮率がある。DVD-Videoでも映像の記録にMPEG-2が採用されている。
MPEG-3:元々HDTVを規定した規格として策定される予定だったが、MPEG-2と基本技術が同じのためMPEG-2に統合された。
MPEG-4:低ビットレートでの使用にまで用途を拡大することを目標として規格化が開始された。動画・音声全般を扱う多様なマルチメディア符号化フォーマットを策定していて、パソコンで動画を扱う際によく使われるDivXやXvidはMPEG-4 Visual(Video)の技術を利用したもの
⑦システムの構成
アクライアントサーバシステムにおけるストアドプロシージャに関する記述のうち,誤っているものはどれか。
機密性の高いデータに対する処理を特定のプロシージャ呼出しに限定することによって,セキュリティを向上させることができる。
イシステム全体に共通な処理をプロシージャとして格納することによって,処理の標準化を行うことができる。
ウデータベースへのアクセスを細かい単位でプロシージャ化することによって,処理性能(スループット)を向上させることができる。
エ複数のSQL文から成る手続を1回の呼出しで実行できるので,クライアントとサーバ間の通信回数を減らすことができる。
答え
ウ:データベースへのアクセスを細かい単位でプロシージャ化することによって,処理性能(スループット)を向上させることができる。
ストアドプロシージャとは、データベースに対する一連の処理をまとめた手続きにして、データベース管理システムに保存したもの。利用者は通常のクエリを発行する代わりに、データベース管理システム内の手続きの呼び出しによって目的の処理を実行させることになる。一つの要求で複数のSQL文を実行させることができるため、ネットワーク負荷の軽減につながったり、誰もがあらかじめ保存された定型処理を行うことになるため標準化ができるなどのメリット
細かな単位ではなく、なるべく大きな単位でまとめたほうがオーバーヘッドが減りスループットの向上につながる。
⑧データベース設計
関係データベースの注文表または商品表の行を削除する場合、注文明細表に対する操作として、適切な組み合わせはどれか。(主)が主キー、(外)が外部キーを示す。
注文
注文番号(主) | 受注年月日 |
商品
商品番号(主) | 商品名称 | 商品単価 |
注文明細
注文番号(主)(外) | 商品番号(主)(外) | 注文数量 | 注文金額 |
【削除時の操作】
A:主キー側の行を削除する際、それを参照している外部キー側の行を同時に削除する。
B:主キー側の行を削除する際、それを参照している外部キー側の行があれば、主キー側の行の削除を許さない。
注文表の行を削除する場合 | 商品表の行を削除する場合 | |
ア | A | A |
イ | A | B |
ウ | B | A |
エ | B | B |
答え
イ
注文表の行削除:一般に1回の注文について複数の商品を受注することが考えられるため、注文明細表の行が複数存在する。注文表の行を削除する場合にはそれに対応する注文明細表の行をすべて削除する必要があるのでこの場合は「A」が正しい。
商品表の行削除:1つの商品は複数の注文に使われるので商品表のある一つの行を参照する注文明細表の行が複数存在する可能性がある。商品行を削除する場合、注文明細表に商品表内の存在しない行をさんしょうする行が生じることがあり、参照整合性が崩れる可能性がある。そのため、注文明細表に商品表の削除対象の行を参照する行がある場合にはその行を削除できないという参照制約を設定することでデータの矛盾を防ぐ
⑨ネットワーク応用
広帯域無線アクセス技術の一つで,最大半径50kmの広範囲において最大75Mビット/秒の通信が可能であり,周波数帯域幅を1.25~20MHz使用するという特徴をもつものはどれか。
アiBurst
イWiMAX
ウW-CDMA
エ次世代PHS
答え
イ
WiMaX(Worldwide Interoperability for Microwave Access:ワイマックス)は回線の敷設やDSL等の利用が困難な地域で、ラストワンマイルの接続手段として期待されている無線アクセス技術(IEEE802.16-2004)
WiMAXの移動体通信用の規格もあり、モバイルWiMAX(IEEE802.16e)と呼ばれる。
iBurst:京セラとArray Commの共同開発による無線通信技術の規格。特徴としては、基地局のエリアが移る時のスムーズなハンドオーバー、既存IPネットワークとの親和性の高さ、低コストなどが挙げられる。
W-CDMA:無線通信規格のCDMAが広帯域化された、第三世代携帯電話(3G)の無線アクセス方式の一つ。
次世代PHS:ウィルコムが実用化に成功した周波数2.5GHzを使用した無線ネットワークシステムの一つであるXGP方式(eXtended Global Platform方式)のこと。通信速度は下り、上りとも最大20Mbpsであり、エリアが限定されているが従来のPHSよりも高速なデータ通信が提供されている(音声通信は未対応)
①応用数学1
通信回線を使用した伝送システムにM/M/1の待ち行列モデルを適用すると、平均回線待ち時間、平均伝送時間、回線利用率の関係は、次の式で表すことができる。
平均回線待ち時間=平均伝送時間×(回線利用率/(1-回線利用率))
回線利用率が0%からジョジョに上がっていく場合、平均回線待ち時間が平均伝送時間よりも最初に長くなるのは、回線利用率が何%を越えた時か?
ア40
イ50
ウ60
エ70
答え
イ:50
平均回線待ち時間が平均伝送時間より長くなるには、係数回線利用率/(1-回線利用率)が1より大きくなることが条件。
回線利用率が50%のときに、回線利用率/(1-回線利用率)が1になり、50%よりも大きくなると1を超えて平均回線待ち時間が平均伝送時間より長くなることがこの関係式からわかる。
したがって正解は50%
②応用数学2
長さnの文字列C1,C2...Cnの中に、部分文字列は全部でいくつあるかを表す式はどれか。ここで、空文字列とC1~n自身も部分文字列とみなす。例えば、長さ3の文字列C1,C2,C3の中に、部分文字列は、C1,2、3、12、23、123及び空文字列の7個ある。
ア2n-1
イn(n+1)/2+1
ウn(n-1)+1
エn!+1
答え
イ:n(n+1)/2+1
n文字の文字列からn文字の部分文字列のとり方は先頭の文字からの1通り、n-1文字の部分文字列のとり方は2通り、n-2文字の部分文字列のとり方は3通り。2文字の部分文字列のとり方はn-1通り、1文字の部分文字列のとり方はn通りになる。
これらの合計は初項1、公差1、項数nの等差数列の和なのでn(n+1)/2。
これに空文字列の1を加えて答えは「n(n+1)/2+1」となる。
③アルゴリズム
相違なるn個のデータが昇順に整理された表がある。この表をm個のデータごとのブロックに分割し、各ブロックの最後尾のデータだけを線形探索することによって、目的のデータの存在するブロックを探し出す。次に当該ブロック内を線形探索して目的のデータを探し出す。この時の平均比較回数を表す式はどれか。ここで、mは十分大きく、nはmの倍数とし、目的のデータは必ず票の中にあるものとする。
アm+n/m
イm/2+n/2m
ウn/m
エn/2m
答え
イ:m/2+n/2m
線形探索法を2回組み合わせて目的データを探し出すときの平均比較回数を求める問題。
線形探索法とは探索データの先頭から順に探索していく方法で、N個のデータのなかから目的のデータを探すときの平均比較回数は(N+1)/2(近似値N/2)
最初はn個のデータをm子のデータごとのブロックに分割した最後尾のみを線形探索する。
探索するデータは、n/m個
目的のデータがあるブロックを見つけるまでの平均比較回数は、
n/m÷2=n/2m回
2回目は、1回目の探索によって見つけた目的のデータがあるブロック内を線形探索する。探索するデータ数はm個
目的のデータを見つけるまでの平均比較回数は、
m/2回
つまり1回目と2回目の平均比較回数を合わせたm/2+n/2mとなる
④メモリ
メモリインタリーブの説明はどれか?
アCPUと磁気ディスク装置との間に半導体メモリによるデータバッファを設けて,磁気ディスクアクセスの高速化を図る。
イ主記憶のデータの一部をキャッシュメモリにコピーすることによって,CPUと主記憶とのアクセス速度のギャップを埋め,メモリアクセスの高速化を図る。
ウ主記憶へのアクセスを高速化するため,アクセス要求,データの読み書き及び後処理が終わってから、次のメモリアクセスの処理に移る。
エ主記憶を複数の独立したグループに分けて,各グループに交互にアクセスすることによって,主記憶へのアクセスの高速化を図る。
答え
エ:主記憶を複数の独立したグループに分けて,各グループに交互にアクセスすることによって,主記憶へのアクセスの高速化を図る。
メモリインタリーブは、主記憶を独立にアクセスできる複数の領域(メモリバンク)に分け、これに並行してアクセスすることで見かけ上のアクセス速度を向上させる技術のこと
ディスクキャッシュ:CPUと磁気ディスク装置との間に半導体メモリによるデータバッファを設けて、磁気ディスクアクセスの高速化を図る
キャッシュメモリ:主記憶のデータの一部をキャッシュメモリにコピーすることによって、CPUと主記憶とのアクセス速度のギャップを埋め、メモリアクセスの高速化を図る
排他制御(共有資産のメモリを保護する):主記憶へのアクセスを高速化するため、アクセス要求、データの読み書き及び後処理が終わってから次のメモリアクセスの処理に移る
⑤メモリ2
メモリの誤り制御方式で,2ビットの誤り検出機能と,1ビットの誤り訂正機能をもたせるのに用いられるものはどれか。
ア奇数パリティ
イ水平パリティ
ウチェックサム
エハミング符号
答え
エ:ハミング符号
ハミング符号:情報ビットに検査ビットを付加することで2ビットまでの誤りを検出し、1ビットの誤りを訂正できる手法。ECCメモリ(Error Check and Correct memory)やRAID2の誤り訂正符号として使用される。
奇数パリティ:データを構成するビット全体の中でビット「1」の数が奇数になるようにパリティビットを付加する方式のこと。1ビットの誤りを検出することができる。
水平パリティ:データの水平方向を対象としてパリティビットを付加する方式。垂直方向と組み合わせた水平垂直パリティチェックでは1ビットの誤りを訂正できるが、水平パリティだけでは1ビットの検出のみが可能。
チェックサム:データの合計値を検査用に付加し、誤りが発生しているかを検査する方式。
⑥マルチメディア技術
MPEG-1を説明したものはどれか。
ア1.5Mビット/秒程度の圧縮方式であり,主にCD-ROMなどの蓄積型メディアを対象にしている。
イ60Mビット/秒を超える圧縮方式であり,主に高品質なテレビ放送を対象にしている。
ウ数M~数十Mビット/秒という広い範囲の圧縮方式であり,蓄積型メディア,放送,通信で共通に利用できる汎用の方式である。
エ数十k~数百kビット/秒という低ビットレートの圧縮方式の一つであり,携帯電子機器などへの利用を対象にしている。
答え
ア:1.5Mビット/秒程度の圧縮方式であり,主にCD-ROMなどの蓄積型メディアを対象にしている。
MPEGは動画圧縮技術である
MPEG-1:CD-ROMに1時間程度の動画を記録することを目的に設計された方式。Video-CD用の動画フォーマットなどで利用
MPEG-2:放送やHDTVを想定した規格であり、様々なメディアでの利用を想定して複数の解像度、圧縮率がある。DVD-Videoでも映像の記録にMPEG-2が採用されている。
MPEG-3:元々HDTVを規定した規格として策定される予定だったが、MPEG-2と基本技術が同じのためMPEG-2に統合された。
MPEG-4:低ビットレートでの使用にまで用途を拡大することを目標として規格化が開始された。動画・音声全般を扱う多様なマルチメディア符号化フォーマットを策定していて、パソコンで動画を扱う際によく使われるDivXやXvidはMPEG-4 Visual(Video)の技術を利用したもの
⑦システムの構成
アクライアントサーバシステムにおけるストアドプロシージャに関する記述のうち,誤っているものはどれか。
機密性の高いデータに対する処理を特定のプロシージャ呼出しに限定することによって,セキュリティを向上させることができる。
イシステム全体に共通な処理をプロシージャとして格納することによって,処理の標準化を行うことができる。
ウデータベースへのアクセスを細かい単位でプロシージャ化することによって,処理性能(スループット)を向上させることができる。
エ複数のSQL文から成る手続を1回の呼出しで実行できるので,クライアントとサーバ間の通信回数を減らすことができる。
答え
ウ:データベースへのアクセスを細かい単位でプロシージャ化することによって,処理性能(スループット)を向上させることができる。
ストアドプロシージャとは、データベースに対する一連の処理をまとめた手続きにして、データベース管理システムに保存したもの。利用者は通常のクエリを発行する代わりに、データベース管理システム内の手続きの呼び出しによって目的の処理を実行させることになる。一つの要求で複数のSQL文を実行させることができるため、ネットワーク負荷の軽減につながったり、誰もがあらかじめ保存された定型処理を行うことになるため標準化ができるなどのメリット
細かな単位ではなく、なるべく大きな単位でまとめたほうがオーバーヘッドが減りスループットの向上につながる。
⑧データベース設計
関係データベースの注文表または商品表の行を削除する場合、注文明細表に対する操作として、適切な組み合わせはどれか。(主)が主キー、(外)が外部キーを示す。
注文
注文番号(主) | 受注年月日 |
商品
商品番号(主) | 商品名称 | 商品単価 |
注文明細
注文番号(主)(外) | 商品番号(主)(外) | 注文数量 | 注文金額 |
【削除時の操作】
A:主キー側の行を削除する際、それを参照している外部キー側の行を同時に削除する。
B:主キー側の行を削除する際、それを参照している外部キー側の行があれば、主キー側の行の削除を許さない。
注文表の行を削除する場合 | 商品表の行を削除する場合 | |
ア | A | A |
イ | A | B |
ウ | B | A |
エ | B | B |
答え
イ
注文表の行削除:一般に1回の注文について複数の商品を受注することが考えられるため、注文明細表の行が複数存在する。注文表の行を削除する場合にはそれに対応する注文明細表の行をすべて削除する必要があるのでこの場合は「A」が正しい。
商品表の行削除:1つの商品は複数の注文に使われるので商品表のある一つの行を参照する注文明細表の行が複数存在する可能性がある。商品行を削除する場合、注文明細表に商品表内の存在しない行をさんしょうする行が生じることがあり、参照整合性が崩れる可能性がある。そのため、注文明細表に商品表の削除対象の行を参照する行がある場合にはその行を削除できないという参照制約を設定することでデータの矛盾を防ぐ
⑨ネットワーク応用
広帯域無線アクセス技術の一つで,最大半径50kmの広範囲において最大75Mビット/秒の通信が可能であり,周波数帯域幅を1.25~20MHz使用するという特徴をもつものはどれか。
アiBurst
イWiMAX
ウW-CDMA
エ次世代PHS
答え
イ
WiMaX(Worldwide Interoperability for Microwave Access:ワイマックス)は回線の敷設やDSL等の利用が困難な地域で、ラストワンマイルの接続手段として期待されている無線アクセス技術(IEEE802.16-2004)
WiMAXの移動体通信用の規格もあり、モバイルWiMAX(IEEE802.16e)と呼ばれる。
iBurst:京セラとArray Commの共同開発による無線通信技術の規格。特徴としては、基地局のエリアが移る時のスムーズなハンドオーバー、既存IPネットワークとの親和性の高さ、低コストなどが挙げられる。
W-CDMA:無線通信規格のCDMAが広帯域化された、第三世代携帯電話(3G)の無線アクセス方式の一つ。
次世代PHS:ウィルコムが実用化に成功した周波数2.5GHzを使用した無線ネットワークシステムの一つであるXGP方式(eXtended Global Platform方式)のこと。通信速度は下り、上りとも最大20Mbpsであり、エリアが限定されているが従来のPHSよりも高速なデータ通信が提供されている(音声通信は未対応)
⑩セキュリティ実装技術
SSLによるクライアントとWebサーバ間の通信手順(1)~(5)において,a,bに入る適切な組合せはどれか。ここで,記述した手順は,一部簡略化している。
(1)クライアントからのSSLによる接続要求に対し,Webサーバは証明書をクライアントに送付する。
(2)クライアントは,保持している【a】によってこのサーバ証明書の正当性を確認する。
(3)クライアントは,共通鍵生成用のデータを作成し,サーバ証明書に添付された【b】によってこの共通鍵生成用データを暗号化し,Webサーバに送付する。
(4)受け取ったWebサーバは,自らの秘密鍵によって暗号化された共通鍵生成用データを復号する。
(5)クライアントとWebサーバの両者は,同一の共通鍵生成用データによって共通鍵を作成し,これ以降の両者間の通信は,この共通鍵による暗号化通信を行う。
a | b | |
ア | クライアントの公開鍵 | Webサーバの秘密鍵 |
イ | クライアントの秘密鍵 | Webサーバの公開鍵 |
ウ | 認証局の公開鍵 | Webサーバの公開鍵 |
エ | 認証局の公開鍵 | Webサーバの秘密鍵 |
答え
ウ
SSL(Secure Soket Layer)は通信の暗号化、ディジタル証明書を利用した改竄検出、ノード認証を含む統合セキュアプロトコルのこと。
【a】認証局の公開鍵
サーバ証明書(ディジタル証明書)は、Webサーバが認証局に対して事前に登録申請を行い、Webサーバに対して発行されたもので、「サーバの公開鍵」に対して認証局のディジタル署名が付加されている。SSLの利用手順として、Webサーバからクライアントに対してサーバ証明書を送り、クライアントでは「認証局の公開鍵」を用いて、この証明書の正当性を確認し、Webサーバの認証を行う。
【b】Webサーバの公開鍵
その後、クライアントとWebサーバで共有した共通鍵生成用のデータから同一の共通鍵を生成し、以後はこの共通鍵を用いて暗号化を行う。
⑪公開鍵暗号方式によって,n人が相互に暗号を使って通信する場合,異なる鍵は全体で幾つ必要になるか。ここで,公開鍵,秘密鍵をそれぞれ一つと数える。
アn+1
イ2n
ウn(n-1)/2
エlog2n
答え
イ:2n
公開鍵暗号方式では、復号鍵(秘密鍵)を正規の受信者が保持し、暗号化鍵(公開鍵)を複数の送信者に向けて公開する。この方式では送信者:受信者、n:1の場合秘密鍵と公開鍵が一組あれば暗号化通信が可能。n人が相互に暗号を使って通信する場合、秘密鍵を保持する淳社はn人のため必要となる秘密鍵はn個。さらにこれらの秘密鍵に対応する公開鍵がn個必要になるため、鍵の総数はn+n=2n個となる。
共通鍵暗号方式では、n(n-1)/2個の鍵が必要。
⑫ISMS適合評価制度における情報セキュリティ基本方針に関する記述のうち,適切なものはどれか。
ア重要な基本方針を定めた機密文書であり,社内の関係者以外の目に触れないようにする。
イ情報セキュリティのための経営陣の方向性及び支持を規定する。
ウセキュリティの基本方針を述べたものであり、ビジネス環境や技術が変化しても変更してはならない。
エ特定のシステムについてリスク分析を行い、そのセキュリティ対策とシステム運用の詳細を記述したものである。
情報セキュリティ基本方針(情報セキュリティポリシ)は、組織の経営者(トップマネジメント)が最終的な責任者となり「組織が情報セキュリティに本格的に取り組む」という姿勢を示し、情報セキュリティの目標と、その目標を達成するために企業・組織が取るべき行動を社内外に宣言する文書のこと。
ISMS基本方針は組織の情報セキュリティマネジメントに対する基本的な考え方を示すもの。
⑬デザインレビューの目的はどれか。
ア成果物の問題点の早期発見を行う。
イ設計プロセスとマネジメントプロセスに関する問題点の早期発見と是正を行う。
ウ第三者機関による成果物のサンプリング検査で品質上の問題点の早期発見と是正を行う。
エ第三者機関による全成果物の合否判定を行う。
答え
ア:成果物の問題点の早期発見を行う。
デザインレビューは、システムの開発工程において設計内容を吟味・確認すること。
⑭図において,"営業状況を報告してください"という同じ指示(メッセージ)に対して,営業課長と営業部員は異なる報告(サービス)を行っている。オブジェクト指向において,このような特性を表す用語はどれか。
→→|営業課長|
↑
営業部長 |
↓
→→|営業部長|
アカプセル化
イ継承
ウ多相性
エ抽象化
答え
ウ:多相性
カプセル化(情報隠蔽):オブジェクトの内部を隠ぺい(ブラックボックス化)すること。
インヘリタンス(継承):あるクラスが上位のクラスを特性を引き継いでいる関係のこと。
ポリモルフィズム(多相性・多態性):オブジェクトへの操作呼び出しが呼び出し側でなく受け手側の特性で決まる特性。
⑮マッシュアップを利用してWebコンテンツを表示しているものはどれか。
ア検索キーワードの入力中に,キーワードの候補をサーバから取得して表示する。
イ地図上のカーソル移動に伴い,ページを切り替えずにスクロール表示する。
ウ電車経路の探索結果上に,各路線会社のWebページへのリンクを表示する。
エ店舗案内のページ上に,ほかのサイトが提供する地図情報を表示する。
答え
エ:店舗案内のページ上に,ほかのサイトが提供する地図情報を表示する。
マッシュアップ:他サイトで公開されているWebサービスのAPIを組み合わせて一つの新しいWebサービスのように機能させること。
⑯ある開発プロジェクトの見積工数は88人月である。作業を開始した1月から5月末までは各月に10名を投入したが,5月末時点で40人月分の作業しか完了していない。8月末までにこのプロジェクトを完了するためには,6月以降は最低何名の要員を追加する必要があるか。ここで,6月以降のすべての要員の作業効率は,5月までの要員と同じであるものとする。
ア6
イ10
ウ16
エ20
答え
イ:10
1~5月までに10名投入し完了した作業が40人月。予定していた実績(5か月×10名=50人月)に達していない。
ここまでの作業効率は40÷50=0.8
全部完了するためにはx人必要なため次の式になる。0.8x=88
x=110人月
現在40人月、3か月で110人まで増やすには毎月10人増やす必要がある。
⑰グラフの使い方のうち,適切なものはどれか。
ア企業の財務評価などで,複数の特性間のバランスを把握するために,円グラフを使用する。
イ商品価格の最高値と最安値など,ある期間内に幅のある数値を時系列で表現するために,浮動棒グラフを使用する。
ウ全支社の商品ごとの売上高の比率など,二つ以上の関連する要素の比率の変化を比較するために,積上げ棒グラフを使用する。
エ年度ごとの売上高の内訳の推移など,要素の変化と要素の合計の変化を比較するために,帯グラフを使用する。
答え
イ:商品価格の最高値と最安値など,ある期間内に幅のある数値を時系列で表現するために,浮動棒グラフを使用する。
浮動棒グラフ:商品価格の最高値と最安値など、ある期間内に幅のある数値を時系列で表現する
レーダチャート:企業の財務評価などで、複数の特性間のバランスを把握するために使用する。
帯グラフ:全支社の商品ごとの売上高の比率など、二つ以上の関連する要素の比率の変化を比較するために使用する。
積み上げ棒グラフ:年度ごとの売上高の内訳の推移など、要素の変化と要素の合計の変化を比較するために使用する。
⑱ヒアリングに関するシステム監査人の行為として,適切なものはどれか。
アシステム監査人は,監査対象部門に関係する管理者の中からヒアリングの対象者を選ぶ。
イヒアリングで被監査部門から聞いた話を裏付けるための文書や記録を入手するよう努める。
ウヒアリングの中で気がついた不備事項について,その場で被監査部門に改善を指示する。
エ複数人で行うと記録内容に相違が出ることがあるので,1人のシステム監査人がすべてのヒアリングを行う。
答え
イ:ヒアリングで被監査部門から聞いた話を裏付けるための文書や記録を入手するよう努める。
ヒアリング:非監査部門の所属員に対して実施する聞き取り調査のこと。
⑲共通フレーム2007によれば,企画プロセスにおけるシステム化構想の立案の前提となるものはどれか。
ア業務要件定義
イ経営事業目標
ウシステム化計画
エシステム設計
答え
イ:経営事業目標
共通フレーム2007:ソフトウェア産業界においての”共通の物差し”となることを目的として作成された規格のこと。
ソフトウェアライフサイクルにおける企画プロセスの目的は、経営事業の目的、目標を達成するために必要なシステムに関係する要求事項の集合とシステム化の方針、及び、システムを実現するための実施計画を得ることであり、以下のアクティビティから構成されている。
(1)プロセスの開始
(2)システム化構想の立案
(3)システム化計画の立案
⑳"システム管理基準"によれば,全体最適化計画策定の段階で,業務モデルを定義する目的はどれか。
ア企業の全体業務と使用される情報の関連を整理し,情報システムの全体像を明確化すること
イシステム化の範囲や開発規模を把握し,システム化に要する期間,開発工数,開発費用を見積もること
ウ情報システムの構築のために必要なハードウェア,ソフトウェア,ネットワークなどの構成要素を洗い出すこと
エ情報システムを実際に運用するために必要なユーザマニュアルや運用マニュアルを作成するために,業務手順を確認すること
答え
ア:企業の全体業務と使用される情報の関連を整理し,情報システムの全体像を明確化すること
業務モデル:企業の全体業務と使用される情報を整理し、情報システムの全体像を明確化すること
システム化計画:システム化の範囲や開発規模を把握し、システム化に要する期間、開発工数、開発費用を見積もること
システム方式設計:情報システムの構築のために必要なハードウェア、ソフトウェア、ネットワークなどの構成要素を洗い出すこと
ソフトウェア要件定義:情報システムを実際に運用するために必要なユーザマニュアルや運用マニュアルを作成するために業務手順を確認すること
㉑ERPパッケージを導入して,基幹業務システムを再構築する場合の留意点はどれか。
ア各業務システムを段階的に導入するのではなく,必要なすべての業務システムを同時に導入し稼動させることが重要である。
イ現場部門のユーザの意見を十分に尊重し,現行業務プロセスと合致するようにパッケージのカスタマイズを行うことが重要である。
ウ最初に会計システムを導入し,その後でほかの業務システムを導入することが重要である。
エパッケージが前提としている業務モデルに配慮して,会社全体の業務プロセスを再設計することが重要である。
答え
エ:パッケージが前提としている業務モデルに配慮して,会社全体の業務プロセスを再設計することが重要である。
ERP(Enterprise Resource Plannning):企業活動に必要な機能、販売、生産、購買、出荷、会計などのすべてが含まれた情報システムのこと。
㉒提案依頼書を作成するために,必要な情報の提供を要請するものはどれか。
アIFB
イRFI
ウRFP
エRFQ
答え
イ:RFI
RFI(Request For Information):情報提供依頼書のこと。企業や組織が調達や業務委託をする場合や、初めての取引となる業者に対して情報の提供を依頼すること。
IFB(Invitation for Bid):入札招請書のこと。企業が調達や業務委託する場合に、納入者に対し調達に入札するよう求める文書のこと
RFP(Request for Proposal):提案依頼書のこと。企業が発注先となるITベンダに対して具体的なシステム提案をするように求めること。
RFQ(Request for Quotation):見積もり依頼書のこと。システムなどの調達先に対して、価格や内容を示す見積もりの作成を依頼すること。
㉓製造業のA社では,NC工作機械を用いて,四つの仕事a~dを行っている。各仕事間の段取り時間は表のとおりである。合計の段取り時間が最小になるように仕事を行った場合の合計段取り時間は何時間か。ここで,仕事はどの順序で行ってもよいものとし,FROMからTOへの段取り時間で検討する。
TO FROM | 仕事a | 仕事b | 仕事c | 仕事d |
仕事a | 2 | 1 | 2 | |
仕事b | 1 | 1 | 2 | |
仕事c | 3 | 2 | 2 | |
仕事d | 4 | 3 | 2 |
ア4
イ5
ウ6
エ7
答え
ア:4
4つの仕事a~dの順序のすべての組み合わせに対して段取り時間を検証する。最初に4を見つけられるように探せば(最小、最大問題は基本的に答えはアかエとなることが多い)早く済みますね
段取り時間が最小となる順序は、
b→1時間→a→1時間→c→2時間→d
で段取り時間は4時間となる。
㉔表は,ある企業の損益計算書である。損益分岐点は何百万円か。
項目 | 内訳 | 金額 |
売上原価 | 変動費100 | |
固定費 | 300 | |
売上総利益 | 400 | |
販売費・一般管理費 | 変動費40 | |
固定費300 | 340 | |
税引前利益 | 60 |
ア250
イ490
ウ500
エ625
答え
エ:625
損益分岐点は、
損益分岐点=固定費÷(1-変動費率)
の式で求める。
固定費=200+300=500
変動費=100+40=140
変動費率=140÷700=0.2
なので、
損益分岐点=500÷(1ー0.2)=625
結果、625百万円となる
㉕請負契約の下で,自己の雇用する労働者を契約先の事業所などで働かさせる場合,適切なものはどれか。
ア勤務時間,出退勤時刻などの労働条件は,契約先が調整する。
イ雇用主は自らの指揮命令の下で当該労働者を業務に従事させる。
ウ当該労働者は,契約先で働く期間は,契約先との間にも雇用関係が生じる。
エ当該労働者は,契約先の指示によって配置変更が行える。
答え
イ:雇用主は自らの指揮命令の下で当該労働者を業務に従事させる。
請負契約:請負人がある仕事を完成することを約し、注文者がその仕事の結果に対してその報酬を支払うことを内容とする契約のこと。
・労働者の始業、就業の時刻、休憩時間、休日、休暇等に関する指示は請負元が行う。
・雇用主は自らの指揮命令の下で当該労働者を業務に従事させる。
・労働者の子用関係は請負元との間にアリ、契約先との間では生じない。
・請負元の指示がない限り配置変更は認められない
- 最終更新:2017-09-13 22:03:59