H22年春午前試験ポイント問題解説
①離散数学
0以上255以下の整数nに対して,
next(n)=|n+1 (0<=n<255
|0 (n=255)
と定義する。next(n)と等しい式はどれか。ここで,x AND y 及び x OR y は,それぞれxとyを2進数表現にして,けたごとの論理積及び論理和をとったものとする。
ア:(n+1) AND 255
イ:(n+1) AND 256
ウ:(n+1) OR 255
エ:(n+1) OR 256
答え
ア:(n+1) AND 255
A:next(n)はnが0~254の場合には引数+1を返す。
B:255の場合は0を返す。
Aの場合
0 0000 0010
AND0 1111 1111
→ 0 0000 0010
Bの場合
1 0000 0000
AND0 1111 1111
→ 0 0000 0000
②離散数学2
図に示す16ビットの浮動小数点形式において,10進数 0.25 を正規化した表現はどれか。ここで,正規化は仮数部の最上位けたが1になるように指数部と仮数部を調節する操作とする。
s1ビット | e4ビット | f11ビット |
ア | 0 | 0001 | 10000000000 |
イ | 0 | 1001 | 10000000000 |
ウ | 0 | 1111 | 10000000000 |
エ | 1 | 0001 | 10000000000 |
答え
ウ
10進数0.25は2進数に変換すると0.01。この2進数0.01を問題文にあるように正規化すると0.1×2^-1となる
s:10進数0.25は正のため0
e:指数は-1のため、4ビットの2の歩数であらわした1111が入る
f:仮数部は0.1のため、10000000000になる
結果、
0111110000000000
となる
③アルゴリズム
流れ図は,シフト演算と加算の繰り返しによって,2進整数の乗算を行う手順を表したものである。この流れ図中のa,bの組合せとして,適切なものはどれか。ここで,乗数と被乗数は符号なしの16ビットで表される。X,Y,Zは32ビットのレジスタであり,けた送りは論理シフトを用いる。最下位ビットを第0ビットと記す。
開始
↓
被乗数→X
乗数→Y
0→Z
1→i
↓
a:1→NOT=→b
↓
Z+X→Z
↓
b
↓
i+1→i
↓
i:16→<=→a:1に戻る
↓
Zを出力する
↓
終了
a | b | |
ア | Yの第0ビット | Xを1ビット左シフト、Yを1ビット右シフト |
イ | Yの第0ビット | Xを1ビット右シフト、Yを1ビット左シフト |
ウ | Yの第15ビット | Xを1ビット左シフト、Yを1ビット右シフト |
エ | Yの第15ビット | Xを1ビット右シフト、Yを1ビット左シフト |
答え
ア
Z←(Z+X) 【Z=3】
Xを1ビット左シフト 【X=6】
Yを1ビット右シフト 【Y=1】
i←(i+1) 【i=1】
Yの第0ビットは1なので、Z←(Z+X) 【Z=9】
Xを1ビット左シフト 【X=12】
Yを1ビット右シフト 【Y=0】
Yの第0ビットはi>16になるまで0なので、加算は行われずにループ終了
Zを出力 【Z=9】
④その他の言語
整形式(well-formed)のXML文書が妥当(valid)なXML文書である条件はどれか。
ア:DTDに適合している。
イ:XML宣言が完全に記述されている。
ウ:XMLデータを記述するための文法に従っている。
エ:エンティティ参照ができる。
答え
ア:DTDに適合している。
DTD(Document Type Definition):XMLにおいて文書構造を定義するスキーマ言語のこと。
⑤
同じ命令セットをもつコンピュータAとBがある。それぞれのCPUクロック周期,及びあるプログラムを実行したときのCPI(Cycles Per Instruction)は,表のとおりである。そのプログラムを実行したとき,コンピュータAの処理時間は,コンピュータBの処理時間の何倍になるか。
CPUクロック周期 | CPI | |
コンピュータA | 1ナノ秒 | 4.0 |
コンピュータB | 4ナノ秒 | 0.5 |
ア:1/32
イ:1/2
ウ:2
エ:8
答え
ウ
CPI(Clock cycler Per Instruction):CPUが1命令を実行するのにかかる平均クロック数のこと
CPUクロック周期×CPI
A=1×4.0=4ナノ秒
B=4×0.5=2ナノ秒
⇒2倍
⑥メモリ
ECCメモリで,2ビットの誤りを検出し,1ビットの誤りを訂正するために用いるものはどれか。
ア:偶数パリティ
イ:垂直パリティ
ウ:チェックサム
エ:ハミング符号
答え
エ
ECCメモリ(Error Check and Correct memory):誤り訂正符号としてハミング符号や垂直水平パリティを使うことで記録内容に発生した誤りを検知&訂正できる機能を持つメモリ
偶数パリティ:データ全体中にある1のビット数が偶数個になるようにパリティビットを付加する方式で1ビットの誤り訂正可能
水平パリティ:データの垂直方法を対象としてパリティビットを付加する方式。1ビットの誤り検出可能
チェックサム:データの合計値を検査用に付加し、誤りがあるか検出する
ハミング符号:情報ビットに検査ビットを付加することで2ビットまで誤り検知&訂正可能
⑧システムの構成
プロセッサごとにごとに主記憶を持ち、通信ポートを通じて処理の同期が行われているシステムは何か?
ア:アレイプロセッサシステム
イ:スレーブシステム
ウ:疎結合マルチプロセッサシステム
エ:密結合マルチプロセッサシステム
答え:
ウ:疎結合マルチプロセッサシステム
アレイプロセッサシステム:ベクトル演算を行うためのシステムで多数の処理装置を並列に組み合わせることで高速な処理をします。
スレーブシステム:1台のコンピュータから1台または複数台のコンピュータの制御を行うシステムです。制御する側をマスター、制御される側をスレーブという。
疎結合マルチプロセッサシステム:プロセッサごとに主記憶を持ち、通信ポートを通じて処理の同期が行われる構成
密結合マルチプロセッサシステム:複数のプロセッサで単一のOSおよび単一の主記憶を共有するシステム構成です。
⑨開発ツール
プログラミングツールの機能の説明のうち,適切なものはどれか。
ア:インスペクタは,プログラム実行時にデータ内容を表示する。
イ:シミュレータは,プログラム内又はプログラム間の実行経路を表示する。
ウ:トレーサは,プログラム単位の機能説明やデータ定義の探索を容易にする。
エ:ブラウザは,文字の挿入,削除,置換などの機能によってプログラムのソースコードを編集する。
答え
ア:インスペクタは,プログラム実行時にデータ内容を表示する。
インスペクタ:構造体などのデータを見やすい形で表示し、簡易に確認できるようにしたツールのこと
シミュレータ:実際に実験を行うのではなく、コンピュータにプログラム上で模擬試験をするためのツールのこと
トレーサ:命令単位でプログラムを実行し、実行直後のレジスタやメモリの内容などの情報が得られるツールのこと
ブラウザ:HTMLファイルを解析し、Webページを表示するソフトウェアのこと
⑩メモリ
SRAMと比較した場合のDRAMの特徴はどれか。
ア:SRAMより高速なアクセスが実現できる。
イ:データを保持するためのリフレッシュ動作が不要である。
ウ:内部構造が複雑になるので,ビット当たり単価が高くなる。
エ:ビット当たりの面積を小さくできるので,高集積化に適している。
答え
エ:ビット当たりの面積を小さくできるので,高集積化に適している。
SRAM:少量・高速・単価が高い、キャッシュメモリに使用
DRAM:高集積化・単価が安い、主記憶に使用
⑪ハードウェア
ワンチップマイコンにおける内部クロック発生器のブロック図を示す。15MHzの発振機と,内部のPLL1,PLL2及び分周器の組合せでCPUに240MHz,シリアル通信(SIO)に115kHzのクロック信号を供給する場合の分周器の値は幾らか。ここで,シリアル通信のクロック精度は±5%以内に収まればよいものとする。
発振器 | ⇒15MHz | PLL18倍 | ↓⇒ | PLL22倍 | ⇒240MHz | CPU |
⇒ | 分周器(x倍) | ⇒115kHz(+-5%) | SIO |
ア:1/2^4
イ:1/2^6
ウ:1/2^8
エ:1/2^10
答え
エ:1/2^10
1:発信器から出力された15MHzは、PLL1で8倍にされて120MHzになる。
2:PLL2でさらに2倍されて240MHzのクロック信号が届けられる。
3:文周期で1000分の1になり、120kHzになるのですが、ここで2進数に直す必要があり、1/2^10となります。
⑫
音声などのアナログデータをディジタル化するために用いられるPCMで,音の信号を一定の周期でアナログ値のまま切り出す処理はどれか。
ア:暗号化
イ:標本化
ウ:符号化
エ:量子化
答え
イ:標本化
アナログ/デジタル変換(A/D変換):アナログ情報をデジタル情報に変換すること
標本化:時間的に連続しているアナログデータを一定間隔で測定し、連続していないデータとして収集すること
量子化:標本化したアナログデータの値を近似値の整数値で表すこと
符号化:量子化で得られた数値を0又は1の2進数に変換すること
⑬データベース設計
顧客は一般に複数の銀行に預金するものとして,顧客と銀行の関連を,E-R図で次のように表現する。このモデルを関係データベース上に"銀行"表,"口座"表,"顧客"表として実装する場合の記述として,適切なものはどれか。
銀行 | ―m | 口座 | n― | 顧客 |
ア:"銀行"表から"口座"表へのカーディナリティは多対1である。
イ:"銀行"表中に参照制約を課した外部キーがある。
ウ:"口座"表から"顧客"表へのカーディナリティは1対多である。
エ:"口座"表には二つ以上の外部キーがある。
答え
エ:"口座"表には二つ以上の外部キーがある。
エンティティ間に「1:n」の関係があるとき「n」側のエンティティは「1」側の識別子を属性として持つ。
口座表には少なくとも銀行表及び顧客表の各キー列を参照する外部キーが存在する。
⑭データベース設計
データの正規化に関する記述のうち,適切なものはどれか。
ア:正規化は,データベースへのアクセスを向上させるために行う。
イ:正規化を行うと,複数の項目で構成される属性は,単一の項目をもつ属性に分解される。
ウ:正規化を完全に行うと,同一の属性を複数の表で重複してもつことはなくなる。
エ:非正規形の表に対しては,選択,射影などの関係演算は実行不可能である。
答え
イ:正規化を行うと,複数の項目で構成される属性は,単一の項目をもつ属性に分解される。
繰り返し項目を持つレコードは、第1正規化の段階でそれぞれの単独レコードに分割される。
⑮データベース設計
"受注明細"表は,どのレベルまでの正規形の条件を満足しているか。ここで,受注番号と明細番号の組は主キーである。
受注明細
受注番号 | 明細番号 | 商品コード | 商品名 | 数量 |
015867 | 1 | TV20006 | 20型テレビ | 20 |
015867 | 2 | TV24005 | 24型テレビ | 10 |
015867 | 3 | TV28007 | 28型テレビ | 5 |
015868 | 1 | TV24005 | 24型テレビ | 8 |
ア:第1正規形
イ:第2正規形
ウ:第3正規形
エ:第4正規形
答え
イ:第2正規形
第1正規形:集団項目や繰り返し値を排除し、すべての属性が単一値をもつ状態
第2正規形:主キーの一部分である属性に、関数従属している属性を別表に移し、すべての属性が単一値を持ち、主キーからの部分関数従属がない状態
第3正規形:非キー項目に関数従属している項目を別表に移し、すべての属性が単一の値をもち、主キーから部分関数従属性がなく、主キーからの推移的関数従属がない状態
問題は、繰り返し項目がなく、主キーの一部分に関数従属する属性もないが、商品コードに関数従属している商品名が別表に移されていないため、第2正規形までとなる。
⑯トランザクション処理
DBMSのロールフォワードを説明したものはどれか。
ア:更新前ログ情報によって,直近の整合性のとれた状態にする。
イ:障害のもととなったプログラムを修正し,再実行によって回復する。
ウ:チェックポイント情報と更新後ログを使って回復する。
エ:データベースのレコードの内容を,SQLを使って直接修正する。
答え
ウ:チェックポイント情報と更新後ログを使って回復する。
ロールフォワード(前進復帰):システムに障害が起こったときに行われる回復処理。更新後ログを用いて今まで処理したトランザクションを再現し、システム障害直前までデータベース情報を復帰させること
⑰データ通信と制御
OSI基本参照モデルにおいて,アプリケーションプロセス間での会話を構成し,同期をとり,データ交換を管理するために必要な手段を提供する層はどれか。
ア:アプリケーション層
イ:セション層
ウ:トランスポート層
エ:プレゼンテーション層
答え
イ:セション層
セッション層:データの送受信管理や、コネクション確率・データ転送のタイミング管理を行う層。データの送受信管理の機能
アプリケーション層:OSI基本参照モデルにおける最上位層で、それぞれのアプリケーションに特化したプロトコルを用いて、データの意味内容を直接取り扱う
トランスポート層:エラー検出/再送などの伝送制御を担い通信の品質を保証する層
プレゼンテーション層:データの表示形式を管理したり、文字コードやエンコードの種類などを規定する層
⑱データ通信と制御
社内ネットワークからインターネット接続を行うとき,インターネットへのアクセスを中継し,Webコンテンツをキャッシュすることによって,アクセスを高速にする仕組みで,セキュリティの確保にも利用されるものはどれか。
ア:DMZ
イ:IPマスカレード(NAPT)
ウ:ファイアウォール
エ:プロキシ
答え
エ:プロキシ
プロキシ(Proxy):「代理」の意味でインターネットへのアクセスを中継する機器のこと。Webページアクセスをクライアントではなくプロキシサーバが代理して行うので、ネットワーク内部を外部から秘匿にできるのでセキュリティ確保が期待できる。
DMZ(demilitarized zone):非武装地帯という意味。ファイアウォールの中でも外でもない中間的なエリアのこで、公開サーバなど外部からアクセスされる可能性のある資源を設置するエリア。
IPマスカレード(NAPT):プライベートIPアドレスとグローバルIPアドレスの相互変換するNATの考え方にポート番号を組み合わせた技術のこと。1つのグローバルIPアドレスで複数のプライベートIPアドレスを持つノードが同時にインターネットに接続可能
ファイアウォール:ネットワーク同士の境界線に設置し、不正なデータの通過を阻止するためのもの
⑲ソフトウェア方式設計・詳細設計
モジュールの結束性(強度)が最も高いものはどれか。
ア:あるデータを対象として逐次的に複数の機能を実行するモジュール
イ:異なる入力媒体からのデータを処理するモジュール
ウ:単一の機能を実行するモジュール
エ:特定の時点で必要とされる作業のすべてを含んでいるモジュール
答え
ウ:単一の機能を実行するモジュール
モジュール強度:モジュール内部の関連性の強さを表し、暗号的強度から機能的強度までの7種類ある。
暗号的強度(低):関係のない機能をまとめたモジュール
論理的強度:関連する複数の機能をまとめたモジュール
時間的強度:プログラムの開始時など、ある特定の時期に実行する機能をまとめたモジュール
手順的強度:関連ある逐次的な機能をまとめたモジュール
連絡的強度:関連ある逐次的な機能で要素が連絡しあうものをまとめたモジュール
情報的強度:同じデータ構造や資源を扱う機能を一つにまとめたモジュール
機能的強度(高):一つの機能を実現するためだけのモジュール
⑳開発プロセス・手法
ソフトウェアプロセスの標準化と最適化を推進し,製品やサービスの開発,調達及び保守活動において,組織のもつプロセスを改善するためのガイドラインを提供するものはどれか。
ア:CMMI
イ:COBIT
ウ:ITIL
エ:ITSS
答え
ア:CMMI
CMMI(Capability Maturity Model Integration):統合能力成熟度のことで組織におけるプロセス改善をガイドするモデル。プロジェクト管理、プロセス管理、エンジニアリング、支援に関するプロセスについて、それらが効果的なプロセスであるために重要な要素をゴール及びプラクティスという概念を用いて整理されている。未成熟なプロセスから有効性を持った秩序ある成熟したプロセスへの進化の改善経路も記述されており、自らの組織の状況に合わせて適用内容を徐々に高度化できる。
㉑コストマネジメント
あるソフトウェア開発部門では,開発工数E(人月)と開発規模L(キロ行)との関係が,E=5.2L^0.98で表される。L=10としたときの生産性(キロ行/人月)は,およそ幾らか。
ア:0.2
イ:1.0
ウ:1.9
エ:5.2
答え
ア:0.2
L=10(キロ行)のためE=約52(人月)
(キロ行/人月)
のため
10/52=約0.2
となる
㉒品質マネジメント
プロジェクト品質マネジメントの活動を品質計画,品質保証,品質管理に分類したとき,品質保証の活動として適切なものはどれか。
ア:プロジェクトで定めた品質基準に対して不満足な結果が発生したときに,その原因を取り除くための方法を決める。
イ:プロジェクトで定めた品質基準を確実に満たすための,計画的かつ体系的な活動を行う。
ウ:プロジェクトの遂行結果が,定められた品質基準に適合しているかどうかを監視する。
エ:プロジェクトの遂行結果に対する適切な品質基準を設定し,それを満たす手順を定める。
答え
イ:プロジェクトで定めた品質基準を確実に満たすための,計画的かつ体系的な活動を行う。
PMBOK:プロジェクト品質マネジメントを「品質計画」「品質保証」「品質管理」の3つのプロセスで行うと定めている
品質計画:プロジェクトの品質を保証し、改善していくための組織構造、責任、手順、プロセスなどを定義するプロセス
品質保証:品質マネジメントを活動全体に対して品質監査を行い、継続的にプロセスの見直し・改善を行うプロセス
品質管理:プロジェクトが品質計画に基づき実行されているか記録し、その記録をもとに基準を満たせない結果の原因を除去するなど適切に管理を行うプロセス
㉓サービスの運用
データの追加・変更・削除が,少ないながらも一定の頻度で行われるデータベースがある。このデータベースのフルバックアップを磁気テープに取得する時間間隔を今までの2倍にした。このとき,データベースのバックアップ又は復旧に関する記述のうち,適切なものはどれか。
ア:ジャーナル情報からの復旧処理時間が平均して約2倍になる。
イ:フルバックアップ1回当たりの磁気テープ使用量が約2倍になる。
ウ:フルバックアップ1回当たりの磁気テープ使用量が約半分になる。
エ:フルバックアップ取得の平均実行時間が約2倍になる。
答え
ア:ジャーナル情報からの復旧処理時間が平均して約2倍になる。
媒体障害が起こると、磁気テープのフルバックアップを別の媒体に再ロードした後に、ジャーナル情報(トランザクションログ)を用いたロールフォワード(前進復帰)処理で障害発生直前の状態まで回復させる。フルバックアップの時間間隔が2倍になると、日々の更新差分であるログ情報も約2倍になるので、ロールフォワードに要する時間が平均居て約2倍になる。
㉔システム化計画
共通フレーム2007によれば,システム化構想の立案で実施するタスクはどれか。
ア:新しい業務のあり方や運用をまとめた上で,業務の内容やルールを整理する。
イ:市場,競合などの事業環境を分析し,事業目標との関係を明確にする。
ウ:新業務を遂行するために必要な設備の導入方針,スケジュールを明確にする。
エ:利害関係者から提示されたニーズ及び要望を識別し,整理する。
答え
イ:市場,競合などの事業環境を分析し,事業目標との関係を明確にする。
共通フレーム2007:ソフトウェア産業界においての共通の物差しとなることが目的。
システム化計画の立案:新しい業務のあり方や運用をまとめたうえで、業務の内容やルールを整理する。新業務を遂行するために必要な設備の導入方針、スケジュールを明確にする。
要件定義プロセス:利害関係者から定時されたニーズ、要望を識別し、整理する。
システム化構想の立案:企画プロセスを構成するアクティビティであり、経営要求・課題の確認、事業環境・業務管理の調査分析、対象となる業務の明確化などの全部で9つのタスクが定義されている。
㉕情報システム戦略
情報システム全体の最適化目標は経営戦略に基づいて設定される必要があり,その整合性を検証する必要がある。"財務状態の予測"と整合性を確保すべきものはどれか。
ア:情報化投資計画
イ:情報システム化計画
ウ:情報システム全体のSWOT分析
エ:情報システム部門のバランススコアカード
答え
ア:情報化投資計画
情報化投資計画:経営戦略を基に策定された情報化投資計画に基づいて最適化目標を設定
㉖経営戦略手法
企業の競争戦略におけるチャレンジャ戦略はどれか。
ア:上位企業の市場シェアを奪うことを目標に,製品,サービス,
販売促進,流通チャネルなどのあらゆる面での差別化戦略をとる。
イ:潜在的な需要がありながら,大手企業が参入してこないような専門特化した市場に,限られた経営資源を集中する。
ウ:目標とする企業の戦略を観察し,迅速に模倣することで,開発や広告のコストを抑制し,市場での存続を図る。
エ:利潤,名声の維持・向上と最適市場シェアの確保を目標として,市場内のすべての顧客をターゲットにした全方位戦略をとる。
答え
ア:上位企業の市場シェアを奪うことを目標に,製品,サービス,
販売促進,流通チャネルなどのあらゆる面での差別化戦略をとる。
チャレンジャ戦略:リーダに次ぐシェアを保持し、リーダに競争を仕掛ける2.3番手の企業
リーダ企業:市場においてナンバー1のシェアをほこる企業
ニッチ戦略:小さいながらも特定の市場で独自の地位を気づいていく
フォロワ戦略:リーダやチャレンジャの製品・サービスを模倣して、市場での地位を維持する戦略
㉗ビジネスシステム
XBRLを説明したものはどれか。
ア:企業内又は企業間で使用される複数の業務システムを連携させることであり,データやビジネスプロセスの効率的な統合が可能となる。
イ:小売店の端末からネットワーク経由で発注を行うことで,迅速かつ正確な発注作業が実現でき,リードタイムの短縮や受発注業務の効率向上が可能となる。
ウ:財務報告用の情報の作成・流通・利用ができるように標準化した規約であり,適用業務パッケージやプラットフォームに依存せずに財務情報の利用が可能となる。
エ:通信プロトコルやデータフォーマットの標準的な規約を定めることで,企業間での受発注,決済,入出荷などの情報の電子的な交換が可能となる。
答え
ウ:財務報告用の情報の作成・流通・利用ができるように標準化した規約であり,適用業務パッケージやプラットフォームに依存せずに財務情報の利用が可能となる。
XBRL(eXtensible Business Reporting Language):各種財務報告用の情報を電子化して作成・流通・利用できるように標準化されたXMLベースの言語。
EAI(Enterprise Application Integration):企業または企業間で使用される複数の業務システムを連携させることであり、データやビジネスプロセスの効率的な統合が可能
EOB(Electric Order Book):小売店の端末からネットワーク経由で発注を行うことで、迅速かつ正確な発注作業が実現でき、リードタイムの短縮や受発注業務の効率向上が可能
EDI(Electronic Data Interchange):通信プロトコルやデータフォーマットの標準的な規約を定めることで、企業間での受発注、決済、入出荷などの情報の電子的な交換が可能
㉘産業機器
モジュラ型アーキテクチャと比較したインテグラル型アーキテクチャの特徴として,適切なものはどれか。
ア:最大パフォーマンスが制限され,資源に機能が重複しやすい。
イ:システム全体の最適化を行うことで,一つの製品ができる。
ウ:標準的な部品の構成によって,製品組立てが可能である。
エ:複数の企業が役割を分担して,一つの製品を開発するときに有効な方法である。
答え
イ:システム全体の最適化を行うことで,一つの製品ができる。
モジュラ型アーキテクチャ:構成要素が部品化されていて、それらを結合することでシステムを設計・開発・製造できるように作られたアーキテクチャ。機能が要素と1:1に対応したもの
インテグラル型アーキテクチャ:せいひんや システムを構成する要素同士が密接に結びついたアーキテクチャ。各機能と複数の要素に関係するように作られているもの。
㉙OR・IE
経営会議で来期の景気動向を議論したところ,景気は悪化する,横ばいである,好転するという三つの意見に完全に分かれてしまった。来期の投資計画について,積極的投資,継続的投資,消極的投資のいずれかに決定しなければならない。表の予想利益については意見が一致した。意志決定に関する記述のうち,適切なものはどれか。
予想利益(万円) | 景気動向 | |||
悪化 | 横ばい | 好転 | ||
消極的投資 | 50 | 150 | 500 | |
投資計画 | 継続的投資 | 100 | 200 | 300 |
消極的投資 | 400 | 250 | 200 |
ア:混合戦略に基づく最適意志決定は,積極的投資と消極的投資である。
イ:純粋戦略に基づく最適意志決定は,積極的投資である。
ウ:マクシマックス原理に基づく最適意志決定は,継続的投資である。
エ:マクシミン原理に基づく最適意志決定は,消極的投資である。
答え
エ:マクシミン原理に基づく最適意志決定は,消極的投資である。
ゲーム理論(Game Theory):複数の人間による合理的な意思決定方法を考える理論
混合戦略:利得を最大化しようとするために、各選択肢をある比率で選ぶ戦略。
純粋戦略:あるひとつの選択肢を確定的に選ぶ戦略。
マクシマックス原理:核戦略を選択した場合に得られる最大利益が最も大きくなる戦略を選ぶ楽観的な考え方
マクシミン原理:核戦略を選択した場合に得られる最小利得が最も大きくなる戦略を選ぶ保守的な考え方
㉚OR・IE
X社では,(1)~(4)に示す算定方式で在庫補充量を決定している。第n週の週末時点での在庫量をB[n],第n週の販売量をC[n]としたとき,第n週の週末に発注する在庫補充量の算出式はどれか。ここで,nは3以上とする。
〔在庫補充量の算定方式〕
週末ごとに在庫補充量を算出し,発注を行う。在庫は翌週の月曜日に補充される。
在庫補充量は,翌週の販売予測量から現在の在庫量を引き,安全在庫量を加えて算出する。
翌週の販売予測量は,先週の販売量と今週の販売量の平均値とする。
安全在庫量は,翌週の販売予測量の10%とする。
ア:(C[n-1]+C[n])/2×1.1-B[n]
イ:(C[n-1]+C[n])/2×1.1-B[n-1]
ウ:(C[n-1]+C[n])/2+C[n]×0.1-B[n]
エ:(C[n-2]+C[n-1])/2+C[n]×0.1-B[n]
答え
ア:(C[n-1]+C[n])/2×1.1-B[n]
翌週の販売予測:先週と今週の平均値(C[n-1]+C[n])/2
安全在庫量:翌週の販売予測量の10%(C[n-1]+C[n])/2×0.1
n週の販売補充量はこれらの数値を在庫補充量の算定方式に当てはめると、n週の在庫補充量は、
(C[n-1]+C[n])/2-B[n]+((C[n-1]+C[n])/2)×0.1
のため、
(C[n-1]+C[n])/2×1.1-B[n]
となる
㉛知的財産権
プログラムの著作物について,著作権法上適法である行為はどれか。
ア:海賊版を複製したプログラムと事前に知りながら入手し,業務で使用した。
イ:業務処理用に購入したプログラムを複製し,社内教育用として各部門に配布した。
ウ:職務著作のプログラムを,作成した担当者が独断で複製し協力会社に貸与した。
エ:処理速度の向上など,購入したプログラムを効果的に利用するために改変した。
答え
エ:処理速度の向上など,購入したプログラムを効果的に利用するために改変した。
基本的にプログラムの著作物を改変して使用は禁止。認められてるケースは
・用字又は用語の変更、その他の改編で学校教育の目的上病む絵を得ないもの
・構築物の構築、改変、修繕又は模様替えによる改変
・特定の電子計算機においては利用しえないプログラムの著作物を当該電子計算機においてより効果的に利用しえるようにするために必要な改変
・著作物の性質並びにその利用の目的及び態様に照らしやむを得ないと認められる改変
- 最終更新:2017-10-02 00:10:50